露天風呂と内湯が1つずつのシンプルな浴室に満ちる都幾の湯
檜造りの「木の風呂」、シックな「石の風呂」が男女週替わり交替
人気温泉スタンドの“都幾の湯”を運び湯で利用
1,300年の歴史を誇る、ときがわ町の名刹「都幾川慈光寺」は奥州藤原討伐に向かった源頼朝と縁深い山寺。その史実に都幾山湯本の記述があり、かつてあった霊泉を彷彿とさせる。現在、旧都幾川村と旧玉川村が合併して誕生した、ときがわ町は複数の温泉を擁している。「都幾の湯 都幾川四季彩館」は約3km離れた山道にある1990年オープン「ときがわ町温泉スタンド」の人気の源泉“都幾の湯”を、毎朝タンクローリーで移送して利用。地下1,300mより毎分25L湧くナトリウム-塩化物温泉で、Ph8.56のアルカリ性かつ湧出温度26度の低温泉。成分濃度は人間の体内と同程度の等張性となる。源泉はかすかに褐色がかった鉱物臭と、ぬるぬるとした湯ざわり。この湯を湧出量に応じ、当施設では5倍に加水後、加温循環式で利用。
浴場は男女が週代わり交替する「木の風呂」「石の風呂」の2つ。露天風呂×1、内湯×1の構成は同じ。
芳しく、柔らかな総檜造りが贅沢な「木の風呂」
ときがわ町の約70%は杉や檜などの山林が占め、林業や木工業が古くから盛ん。浴室の高い天井や壁は、ときがわ町産も含む埼玉県内産の材木で築造されている。
「木の風呂」は芳しい檜を浴槽に使用。竹塀越しに新緑や紅葉など四季折りの自然美を見せる三波渓谷の樹木が迫る露天エリアには、約42度の「露天風呂」が1つ。総檜造りの湯船は5〜6人がくつろげる大きさ。同じく檜で造られた東屋が掛かり、雨除け日除けも安心。浴槽底には滑り止めのため、格子状の刻みをつけている。
12〜3人が入れるゆったりとした「内湯浴槽」も同様に、総檜造り。浴槽の壁や底まで檜で造られた風呂は大変贅沢なもの。水を含んだ檜は香りが良いことはもちろん、肌当たりもふっくら柔らかで、細部にこだわる日本人に古くから愛用されてきた。半身浴にちょうど良いステップに腰掛け、窓越しの景色を眺めて、のんびり長湯を楽しめる。
渋い青緑色が落ち着く石造りの「石の風呂」
一方、「石の風呂」は渋い青石がシック石造り。濃い緑を眺める露天エリアの約42度「露天風呂」。「木の風呂」とは建材を違えど浴槽の仕様は同じで、こちらも定員5〜6人ほど。薄く褐色がかった塩泉が満ちる。
ステップ付きで12〜3人が入れる約41度「内湯浴槽」や、浴室の床材も石を用い、檜や杉の壁、天井などの和の佇まいと調和する。
このように、全体的にはこじんまりとしているが、露天エリアにも内湯にも、気泡など音をたてるアイテムはなく、鳥のさえずりや葉音、水音が響くばかりの静かで落ち着いた湯浴みのひとときを過ごすことができる。
御影石造りで一部に仕切りがついた洗い場は「木の風呂」「石の風呂」ともに5席でカランは4つ。ボディーソープに加え、男湯はシャンプーインリンスを用意。女湯はシャンプーとコンディショナー、メイク落としと充実し、手ぶらでの立ち寄り湯も気軽だ。
-
木の風呂:「露天風呂」
-
木の風呂:「露天風呂」
-
木の風呂:露天エリアからの眺め
-
木の風呂「内湯浴槽」
-
贅沢な総檜造りの浴槽
-
高い天井や壁も芳しい木の香り
-
木の風呂:洗い場
-
木の風呂:女性用の備品
-
石の風呂:「露天風呂」
-
石の風呂:「露天風呂」
-
石の風呂:「露天風呂」
-
石の風呂:露天エリアからの眺め
-
石の風呂:「内湯浴槽」
-
石の風呂:「内湯浴槽」
-
石の風呂:洗い場
-
石の風呂:男性用の備品
木の棚に脱衣カゴが20個並ぶ脱衣所、貴重品は事前に貴重品ロッカーに
スキンケアアイテムが揃った洗面台は、小スペースながら使い勝手良し
「木の風呂」「石の風呂」の脱衣所は、ともに檜造りで、こざっぱりとした籐敷き。体重計と扇風機、女湯のみベビーベッドを置いたシンプルな造りだ。鍵のかかるロッカーはなく、木の棚に脱衣カゴを20個用意。貴重品はあらかじめ、浴場入口前の貴重品ロッカーへ入れておこう。
洗面台は3席。無料ドライヤー、綿棒、ハンドソープ、ティッシュのほか、男性はアフターシェーブローション、ヘアリキッド、ヘアトニック。女性は化粧水と乳液を備える。
-
木の風呂:脱衣所
-
石の風呂:脱衣所
梁が見事な古民家の大広間「休憩室」、芝生の庭のテーブル席でのんびり
湯上がりの待ち合わせは縁側の「足湯」や浴場入口前の「ホール」で
日本伝統建築の木造軸組みの梁が見事な大広間を「休憩室」として開放。移築した古民家の年月を経た黒光りする木材と、ときがわ産の新材とのコントラストが味わい深い。テーブルセットのある庭を望む広縁付の座敷に座卓が並び、TVを見ながら、田舎に帰ったような気分でくつろげる。浴場へ向かう渡り廊下の縁側には「足湯」があり、この近くには喫煙スペースあり。浴場入口前の「ホール」には畳座面ベンチやコインマッサージ機、アイス、ドリンク自動販売機を置く。
-
「休憩室」
-
芝生の上のテラス席は一声かけて
食堂はないが、館内で販売する地元食材使用のお弁当や惣菜を飲食OK
お茶やお水はセルフサービスで準備し、アルコール類&つまみも販売
食堂は特になし。飲食ができないわけではなく、館内で販売する地元の食材を中心としたお弁当や惣菜、お菓子やドリンク、アイスを購入して、先述の「休憩室」で飲食することができる。温めたいものは備え付けの電子レンジを利用OK。お茶やお水は「お茶処」にてセルフサービスで用意。保健所の指導もあり、飲食物の持ち込みは不可。
ビールなどアルコールの販売や袋物のおつまみ類も揃うので湯上がりの一杯はそちらをどうぞ。
-
「休憩室」で館内販売品を飲食可
-
食品を温めるレンジと袋物つまみ
ときがわ町産の食品を中心としたお土産コーナー
人気はコシヒカリの「都幾山 慈光寺米」や地粉うどんなど
「休憩室」一角が、ときがわ町産の食品を中心としたお土産コーナー。素朴ながら手作り感漂う山里のグルメが楽しいラインナップ。人気はときがわ町産コシヒカリの「都幾山 慈光寺米」。町を代表する古刹の名をとり、5kg2,300円。近隣にある農業体験施設「やすらぎの家」で造った「やすらぎまんじゅう」2個200円や「木の村ようかん」、うどん文化が根付く当地の「地粉うどん」など。ときがわ町の窯元で作った陶器や、バリ雑貨も販売。入浴グッズはフロントにて。
-
やすらぎまんじゅう
-
都幾山 慈光寺米
三波渓谷に連なる林に住む野生のリス君のご飯タイムを鑑賞できる足湯
隣接するピクニック広場やバーベキュー会場を利用して一日のんびり
リラクゼーション関連の施設はなし。先述の浴場へ向かう渡り廊下の縁側に備えた「足湯」やテラス席に行くと目に付くのが可愛らしい巣箱。こちらは三波渓谷に連なる林に住む野生のリス君のもの。運がよければ可愛らしいご飯タイムを鑑賞できる。
館外となるが、ピクニック広場やバーベキュー会場が隣接。バーベキューセットのレンタルは当館で行い、テーブルセット3,000円。食材は1人前1,200円で手ぶら利用もOK。その場合テーブルセットは1,000円引き。
-
「足湯」
-
バーベキュー会場
-
脱衣所に並ぶ脱衣カゴ
-
女性の脱衣所のベビーベッド
-
「休憩所」
-
木造軸組みの梁が見事
-
「休憩所」のTV
-
お茶やお水をサービス
-
「足湯」
-
「足湯」から眺める野生リスの家
-
浴場入口前「ホール」
-
浴場入口前「ホール」
-
「ホール」のコインマッサージ機
-
「ホール」の各種自動販売機
-
「ホール」の貴重品ロッカーなど
-
浴場と本館をつなぐ渡り廊下
-
地粉うどん
-
ときがわ町産の和菓子など
-
ときがわ町産陶器
-
四季彩館オリジナル手ぬぐいなど
-
玄関
-
コイン不要の下足箱
-
古民家造りでくつろげる
-
都幾川 四季彩館の木看板
-
施設前の「青空広場」
-
辺り一帯は自然豊かな三波渓谷
-
景勝「三波渓谷」
-
夏の休日は家族連れで賑わう
-
源泉 都幾の湯から車で約3分
-
タンクローリーで運んでいる
名勝三波渓谷のほとりに佇む、懐かしい雰囲気の日帰り温泉
ときがわ町は「たまがわ花菖蒲園」をはじめレジャースポット満載です
明治時代の古民家を移築した、どこか懐かしい雰囲気の日帰り温泉です。都幾川流域一の名勝三波渓谷に佇み、近隣には蛍が舞う「ホタルの里公園」もあります。三波渓谷でのバーベキューや周辺トレッキングなどのレジャー帰りのお客様が多いので、オンシーズンは14時〜17時が賑わいます。平日18時以降の入館料は大人500円、小中学生300円とお得です(営業20時まで)。また、ポイントカードを発行し、1回来館ごとに1つ捺印。スタンプ10個で入浴料金が1回無料となります。ご希望の方はスタッフに気軽にお声がけください。
自然豊かなときがわ町はお出かけスポットが点在。6月中旬に8,200株が咲き誇る「たまがわ花菖蒲園」、手打ちうどんが体験できる農山村体験交流施設「やすらぎの家」、「いこいの里大附(そば道場) 、ときがわ町の新鮮な野菜や山菜などを販売する「大野特産物販売所」など。ぜひ足をお運びください。