どちらも広さたっぷり、眺望抜群の露天風呂が2棟に2つずつ
開放感と個性を備えた、痛快なお風呂で深呼吸
黒光りする木がシックな風情の「こっちの湯」
駐車場から施設に辿り着いて真正面にあるのが、「こっちの湯」。山奥の掘っ立て小屋を連想させる建物で、年月を経て黒光りする木材に風情がある。
湯船の広さは「あっちの湯」の半分ほどだが、入湯可能な人数は、男湯・女湯合わせて約160人。脱衣所を出るとすぐ、四角い木枠に約42度の湯を満たしたあつ湯がある。飛び石状の階段を下りると、丸みのある石で湯船を囲んだぬる湯。こちらは約40度で長湯にぴったり
。視界をさえぎるのは男湯・女湯の間の仕切りだけで、他には木ひとつない。透明で肌に穏やかな湯に沈めば、彼方に富士山や大菩薩嶺、甲府盆地東部を見渡すことができる。湯船前の近景を覆い尽くす豊かな草木は、ススキなどごく一部を除いて、すべて元々ここにあったもの。湯も草木も天然だ。
富士山からのご来光を拝む、広大な「あっちの湯」
建物正面から左手へしばし歩くと、鉄パイプをぶっ違えた無骨な屋根つき階段がお出迎え。階段を下りた先にある「あっちの湯」の建物は、トタン板が打ちつけられ、工事現場のような雰囲気だ。露天風呂は、「こっちの湯」の倍の広さがあり、高低差をつけた2段構成。下側の湯の3分の1は浅く造られ、小さな子どもでも安心して利用できる。
「あっちの湯」で使用の新源泉「黄金の湯」は薄く黄色がかったキレイな透明の湯で、肌がつるつるになる強アルカリ性。視界のほぼ正面に富士山が位置するため、来光を拝む来館者を迎えるべく、日の出1時間前からオープンする。平日でも80名、土日ともなれば120名もの入館者が「あっちの湯」で日の出を迎えるが、あまりに人数が多いときは「こっちの湯」も早朝開放される。湯船の間は広々としており、石や丸太にもたれひと休みすると実に気分爽快。
風情を選ぶか風景を選ぶか、個性豊かな内湯2種
内湯はそれぞれの湯にひとつずつ。「こっちの湯」の内湯は、うっすら黒光りする木の壁に小さめの窓がつき、ひっそり静かな山奥の湯屋のよう。光量を抑えた室内に、湯に温められた木の香りが豊かに漂い、鄙びた風情がなんとも独特の雰囲気をかもし出す。湯船も小さめだが、施設開設以来のファンからは、「こぢんまりして落ち着く」との声も。
一方「あっちの湯」の内湯は、露天風呂へ向かってひらけた大きな窓が特徴だ。独特の雰囲気が「こっちの湯」と似ているが、広さはほぼ倍。窓から眺める甲府の山なみと、降り注ぐたっぷりの陽射しのおかげで、爽やかで開放的な雰囲気だ。湯船はコンクリの底に木の枠。腰掛けて足湯にしても気持ちがいい。水栓数は「あっちの湯が」内湯に24、「こっちの湯」が内湯に6と外に6。湯温は露天と比べて熱めの42度に設定されている。
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こっちの湯 眺望
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こっちの湯 あつ湯
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こっちの湯 内湯
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あっちの湯 露天あつ湯
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あっちの湯 露天ぬる湯
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あっちの湯 夕暮れの風景
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あっちの湯 甲府盆地の夜景
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あっちの湯 内湯洗い場
露天にも脱衣所が造られた、開放的かつゆったりとしたスペース
棚に大きなカゴを入れる衣類置き場、鍵のかかるロッカーを併設
脱衣所にはロッカー(有料)が並ぶが、メインは木の棚にカゴを置いた衣類置き場。屋内だけでなく、脱衣所を出てすぐの露天エリアにも棚が用意され、衣類の置き場自体は困らない。
また屋外の棚には、雨や陽射しを避けるためのかぶり傘が置いてあるので、ご自由にどうぞ。なお、「こっちの湯」ではロッカーは40個ずつ、ドライヤーは2個ずつ、「あっちの湯」にはそれぞれおよそ倍の数がある。
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ドライヤーは譲り合って
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露天の脱衣所。カゴのみ
座って休むなら、大自然の絶景を見はるかす展望テラスで。寝転んで休むなら、自然の木々を贅沢に組み上げたログハウスで
軽食スタンド「桃太郎」の周辺には、お食事処を兼ねる休憩スペースがあり、中でも屋外展望テラスは、周辺の山々を見渡す絶好のビューポイントだ。
横になって休みたいなら、ログハウス風の休憩所へ向かおう。60畳2棟のうち、平日は1棟のみ開放されているが、土日は2棟とも利用できる。
社員手造りのログハウスは、高い天井に堂々とした梁が組まれ、板壁から木の香りが漂う。明るい色あいの屋内が、目にも心地良い。
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甲府盆地と富士を眺める
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ログハウスでリラックス
イチオシのサイドメニューは、名物の「温卵揚げ」
屋外休憩所から眺める、山なみと絶景
軽食スタンド「桃太郎」では、蕎麦やうどんなど軽い食事をリーズナブルにとることができる。
スナック類も種類豊富で、中でもこの施設で考案された「温卵揚げ」は、サイドメニューの一番人気だ。ざくざくとした衣ごと卵を割ると、中から半熟の黄身がとろり。
周囲には食事処となっている屋外休憩所があり、甲府盆地と連なる山々の風景を眺めながら食事ができる。温卵揚げをつつきつつビールで長居する常連客の姿も、ちらほらと見られる。
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軽食もナニゲに旨い
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温卵揚げ100円
フロントにはバス小物、売店には地元産の定番土産が並ぶ売店
施設オリジナルのキャラをプリントした、タオルなどの日用雑貨が人気
「こっちの湯」「あっちの湯」それぞれのフロントと、屋外休憩所の建物に売店があり、バスグッズや地元産のお土産を取り扱っている。
近郊産のワインや農産加工品といった定番商品の中で、とりわけ目立つのは、オリジナルキャラクターをプリントした商品のラインナップだ。
Tシャツやタオル、バスタオルなどがあるが、見ての通り、キャラクターがユーモラスでデザインもかなり可愛く、関東の温泉ファンの間では知る人ぞ知る商品となっている。
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オリジナル小物もいろいろ
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バスタオル1,000円也
春夏秋冬、近所の農家から届けられた、旬の野菜や果物がずらり
産地直売所で、甲府盆地が育てた採れたての美味を買い込もう
屋外休憩所と一体となった建物には売店が入り、店舗の大きなスペースを割いて、地元産の農産物が並んでいる。近所の農家から「持ってきてもらうだけ」というシステムのため、商品の品揃えや量は一定しないが、鮮度も味も自信を持ってお薦めするものばかりだ。
春は山菜、夏から秋にかけては桃や葡萄などの果物類と、四季折々の美味が並ぶ。意外なところでは、11月から6月にかけてトマト専業農家から入るフルーツトマトが「絶品」とのこと。
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周辺農家から直で届く
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季節によって品揃えさまざま
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脱衣所洗面台
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ロッカーは貴重品のみ使用で
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鉄パイプ剥き出しの構造
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「入浴」Tシャツ
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煙草は外で。自販機もあり
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木彫りの亀がお出迎え
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あっちこっちサイコロあり
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女性用トイレは展望トイレです
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地下250mから汲み上げた水
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休憩用ログハウスは2棟
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季節によって変わる品揃え
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トマト農家自慢の一品
名前は「ほったらかし」でも、あっちもこっちもサービス満点
日の出前から営業、富士からのご来光を眺めながらの朝湯をどうぞ
敷地内にある建物は、一部を除きほぼ全てが社員の手造りです。その理由はまず何より、経費にお金をかけず、お客様によりリーズナブルに温泉をお楽しみいただくため。
日の出前からの営業も、ほかにはない特色と自負しております。ご来光を拝みながらの入浴のあとは、軽食をとることができる場所をご用意しておりますので、安心して朝一番にお越しください。
「こっちの湯」は160名、「あっちの湯」は300名ほどご入浴いただけますので、混雑時もかなり余裕がございますが、ウイークデーのほうがよりゆとりを持ってご入浴いただけます。
日の出をご覧になったお客様が引き揚げてから、11時くらいまでが狙い目です。なお、入湯券1枚で入れる湯は、2湯のうちどちらかのみ。迷われた方のため、入口には「こっちの湯」と「あっちの湯」が出目となったサイコロがございます。随時ご活用ください。